ニキビの種類・治療薬いろいろ
ニキビはその進行度によって白→(黒)→赤→黄と患部の色を変化させます。医療機関を受診するタイミングは赤ニキビ・黄ニキビの状態になってからが多いと言われますが、実は医療機関では白ニキビの状態から治療を行っています。お肌の手触りがプツっとしたら、すぐに皮膚科をご受診ください。
1.白ニキビ(面皰)
様々な原因から毛穴が閉塞して皮脂が溜まった状態です。見た目は赤みのない小さな盛り上がりで触るとプツプツしています。この状態を自分で潰してしまうと、毛穴が開いて雑菌が入りやすくなったり、取りきれずに残ってしまった芯からニキビが再発します。
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2.黒ニキビ(面皰)
毛穴に溜まってしまった皮脂が表皮のところまで達し、空気に触れることで酸化して黒くなった状態です。毛穴が開いた黒い小さな盛り上がりになっていて、皮膚科では毛穴のつまりを取り除く塗り薬やビタミン剤の処方を中心に、面皰圧出処置などニキビの芯を取り除く治療も行います。
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3.赤ニキビ(炎症性皮疹)
酸化した皮脂が毛穴を塞ぐことで皮脂の排出がしにくくなり、アクネ菌が増殖した状態です。アクネ菌が皮脂を分解する際には、角質層の代謝を過剰に促進させる作用を持つ遊離脂肪酸という物質が生成される為、皮脂の詰まった毛穴が角質層で塞がれ、内部で炎症が起こって患部が赤くなります。皮膚科では殺菌・抗炎症作用のある塗り薬やビタミン剤・抗生剤の処方を中心とした治療を行います。
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4.黄ニキビ(膿胞性ざ瘡)
塞がれた毛穴の内部で症状が悪化し膿を持った状態です。化膿した患部が黄色くなり、触ると痛みを伴うこともあります。皮膚科では症状に合った薬を使い分けながら赤ニキビと同様の方針で治療を行ったり、面皰圧出処置などニキビの芯を取り除く治療も行います。
◆代表的な治療薬◆
・アダパレン(ディフェリン)→毛穴のつまりを取り除き、面皰から膿胞までの治療に効果を発揮します。
・イオウ・カンフルローション→殺菌・消炎作用があり、角質除去に効果的です。
・過酸化ベンゾイル(ベピオ)→耐性菌への対策に有用で、アクネ菌を殺菌し毛穴のつまりを改善します。
・クリンダマイシン(ダラシン)→殺菌・抗炎症作用があり、細菌の増殖を抑えます。
・ナジフロキサシン(アクアチム)→細菌の増殖を阻止し、患部に殺菌的に作用します。
2015/07/14ニキビはどうしてできるの?
皮膚の常在菌であるアクネ菌やブドウ菌は皮脂を好みます。その為、何らかの原因で皮脂が毛穴に詰まるつと、ニキビの原因であるアクネ菌がどんどん増殖してしまうのです。皮脂が詰まる原因は様々ですが、大きく分けると以下の3つが挙げられます。
1.皮膚の汚れ
化粧品や日焼け止め・シャンプー・リンス・ボディケア用品などの洗い残しが原因
→しっかり洗浄し、汚れを残さないことで解決できます。洗い過ぎると今度は皮脂の過剰分泌が起こってしまいますので、適度な洗顔を心掛けましょう。
2.皮膚のターンオーバーが乱れる
ストレスや寝不足・疲労・ホルモンバランスの乱れなどが原因
→生活習慣を整えて原因を取り除くほか、ピーリングによる正常化を目指すことが出来ます。当院でもピーリング作用のある石鹸を取り扱っております。
3.皮脂の過剰分泌
元々の肌質や環境・ストレスのほか、お肌の洗い過ぎや保湿ケア不足も原因
→最近は冷暖房による乾燥も目立つので、一年を通しお肌の潤いを保つケアが欠かせません。まずは日頃から自分の肌質にあったスキンケアを行うことが大切です。
患者さまの中には、学校やお仕事などの状況で生活環境を見直すことが難しかったり、ニキビそのものがストレスになって症状がループしてしまうケースも見受けられます。また、思春期や月経周期によるホルモンバランスの乱れなど、いくら気を付けていても自分の力ではなかなか改善できない要因があることも事実です。ニキビでお困りの方は、ひとりで悩まず皮膚科へご相談ください。
2015/05/29ニキビ治療が変わります!
4月から欧米などで広く使用されている新しいニキビ治療薬が保険適用となりました。耐性菌の懸念がない過酸化ベンゾイルという成分を含有している為、海外では以前から治療ガイドラインで推奨されてきたお薬です。
保険適用薬としてこれまで国内で処方されていたニキビ治療薬とは異なる作用を持っている為、ニキビの状態に合ったお薬を使い分けることで、より最適な治療が可能になると期待されています。また、これまでのお薬があまり合わなかったという方にも新しい選択肢が増えるというのは嬉しいお知らせですね。
ニキビで皮膚科はちょっと大袈裟…というイメージをお持ちの方の中には
○つい自分でつぶしてしまう ←患部が化膿したり、毛穴が広がってしまいます!
○とりあえず市販薬を塗っている←現在の症状とお薬がマッチしていないかも!
○人が貰った薬を分けてもらっている←自分のニキビにも合うとは限りません!
○以前処方された薬を使っている←お薬にも使用期限があります!
などの誤った自己治療で症状を悪化させたり、毛穴の開き・ニキビ跡といった更なるお悩みを抱えてしまうケースもあります。ニキビを見つけたらまずは皮膚科へご相談ください。
2015/05/10
まだまだ続く花粉症シーズン
花粉症の80%あまりを占めると言われるスギ花粉がピークを迎え、4月にはヒノキ花粉のピークもやってきます。今年は花粉の表年だっだこともあり、当院にもはじめて花粉症にかかったという患者さまが多くご来院されました。
花粉症といえば春のイメージが強いですが、植物によって原因となる花粉の飛散時期は異なり、その数は50種類以上とも言われます。また、花粉症の方の約半数はハウスダストに対してもアレルギー症状を引き起こすというデータもあり、年中予防のマスクが手放せないという方もいらっしゃるほど。
辛い症状を抑え、防護メガネやマスクで過ごす時期を最小限に留めるには、何に対するアレルギーを持っているのかきちんと調べたうえで対策を立てることが重要です。今年花粉症デビューした方や、しばらくアレルギー検査を受けていないという方には、この機会に採血検査をお勧めします。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。
2015/03/26花粉症と風邪の見分け方
いよいよ花粉シーズンが到来しました。日本人の4人に1人は花粉症と言われ、これまで何ともなかった方が突然発症するケースも珍しくありません。はじめて発症した際には風邪と間違えて対策に遅れが出たり、症状を悪化させてしまうケースもありますが、症状にあった対策を取ればシーズン中の辛さを軽減することができます。
「花粉症なんて有り得ない!」「毎年長引く風邪をひいているだけ」と思っている方も、花粉症と風邪の見分け方をもう一度おさらいしておきましょう。
鼻水
花粉症の鼻水は透明でさらさら、かんでもかんでも出てきます。風邪の場合は日を追うごとに黄色っぽくネバネバしてきます。
鼻づまり
いくらかんでもかめないほど詰まっていたり、両方の穴が詰まることも珍しくありません。風邪と異なり、一時的に改善した鼻の通りもすぐ元に戻ってしまいます。
くしゃみ
花粉症では立て続けに何度も出ますが、風邪でのそうした出方は少ないです。また花粉症のくしゃみは花粉が飛散しなくなる時期まで続きます。
その他
花粉症でもごく稀に咳の症状が出ますが、殆どはかゆみや不快感といった喉の違和感程度で終わります。また目の痒みや充血・止まらない涙といった症状は花粉症特有のもので、風邪では見られません。
少しでも思い当たる症状のある方はお早めにご相談ください。
2015/02/26
スギ花粉の対策はいますぐに!
花粉症の初期療法
毎年花粉症に悩まされ、原因も特定できているという方には、花粉の飛散前から治療をはじめる初期療法がお勧めです。症状を完全になくすことは難しいですが、症状が出る前に内服を開始することで
アレルギーへの過敏反応を抑制する
症状が出るのを遅らせる・軽くする
結果的にシーズンを通して内服する薬の量を減らせる
などの効果が期待できます。ただし、症状が落ち着いたからといって内服を中止してしまうと、薬の効果で抑制されていたアレルギー反応が出てきてしまいますので、シーズン中は医師の指示に従って治療を継続することが大切です。2~3週間前からの内服が効果的と言われていますので、原因となる花粉の飛散情報をチェックして、事前に医療機関を受診しましょう。
2015/01/14
花粉症検査はお済みですか?
間もなく春の花粉症シーズンがスタートします。関東では昨春の2~3倍花粉が飛散するとも言われておりますので、早めの対策で辛い症状を最小限に抑えましょう。花粉症には原因の特定と飛散時期に合わせた対策が有効です。こんなご症状でお悩みの方には採血によるアレルギー検査(花粉症検査)をお勧めします。
くしゃみや鼻水が止まらない
目や喉がかゆい
微熱や頭痛がある etc…
採血結果は1週間程度でわかります。もし花粉症と診断されてしまったら、原因となる花粉の飛散前に初期療法を開始して症状を和らげましょう。アレルギー検査では、花粉の他に食物や動植物・ハウスダストなどを組み合わせて最大13項目までお調べすることが可能です。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。
2015/01/14
本当は怖い低温熱傷
◆低温熱傷とは
湯たんぽやカイロ・ストーブ・ホットカーペットなど、通常なら受傷しない程度の低温熱源に長時間接触することで発生するやけどです。低温熱傷では、熱源に直接触れている部分は熱さや痛みを感じなくても、皮下組織が長時間に渡って損傷を受けている為、時間とともに損傷部分が壊死してしまいます。
◆低温熱傷の特徴
先程も述べたように、低温熱傷では受傷直後に痛みや熱さなどの自覚症状がなかったり、患部も軽い赤みや水疱ができる程度のことが多いです。1週間~10日ほどでようやく患部に痛みが出現する為、気づいた頃に医療機関を受診しても、すぐにはその後の経過を予測することができないのが特徴です。その為、根気よく通院し状況に適した治療を受けることが重要です。自己判断で放置すると、患部が細菌感染を起こしたり、傷跡が目立ちやすい状態で残ってしまう恐れもあります。
◆低温熱傷の予防
受傷してしまったら壊死を食い止めることはできない為、低温熱源との接触方法に留意する以外予防法はありません。就寝中の受傷が多い湯たんぽやホットカーペットは、使用時の温度が高くなり過ぎないようにしましょう。また暖房器具を使用する際は、同じ場所が長時間当たらないようご注意ください。自分の意思で自由に動くことのできない乳幼児や高齢者・身体の不自由な方には周りの方の配慮が必要です。
2015/01/08やけどの種類と応急処置
やけどの治りは受傷から数日のケアに掛かっていると言われ、特に受傷直後の応急処置は重要です。当院にも冬場は毎日のようにやけどの患者さまがいらっしゃいますので、やけどの種類と応急処置についてご案内いたします。
◆やけどの種類
やけどの重症度は深さと面積によって決まり、深度にはつぎの3種類があります。
症状 | 治癒までの期間 | 傷跡 | |
第1度熱傷 | 患部の発赤と痛み・熱感 | 数日 | 残りにくい |
第2度熱傷 | 患部の発赤や腫れと強い痛み・水ぶくれ・びらん・潰瘍など | 10日~2週間以上 | 残りやすい |
第3度熱傷 | 患部の壊死や乾燥・痛みを感じないことも | 1ヶ月以上 | 残る |
ひどいやけどで患部に痛みを感じないときは救急外来を受診してください。
やけどの部位や範囲など、場合によっては救急車を呼びましょう。
◆応急処置
水道の流水で痛みがなくなるまで15分程度冷やしてください。流水の出ないところでは保冷剤をあてたり、ペットボトルや水筒・コップに入った水やお茶をかけても構いません。とにかく 直ちに患部を冷やしてください。小さなお子さまや高齢の方は低体温を引き起こしやすい為、患部の冷やし過ぎにも注意して、氷嚢や保冷剤を当てる場合には必ずタオルを巻いて使用しましょう。
水疱が破れると感染症を引き起こしたり、痕が残ってしまう恐れもあります。破ったりつぶしたりしないよう気を付けましょう。水の勢いで破れてしまうこともありますので、流水をかけるときは患部から少しずらすようにしてください。熱湯を被るなどして衣服の上から受傷した場合には、無理に脱がせると皮膚が一緒に剥がれ悪化する場合がありますので、そのままの状態で衣服の上から冷やしてください。
医療機関を受診するまでの移動中も、濡らした清潔なタオルやガーゼ、またはタオルを巻いた氷嚢・保冷剤等を患部に当てて冷やしましょう。引き続き冷却が必要なケースもありますので、到着したら受付で「いつ・何が原因で受傷したのか」「どんな応急処置をどのくらいの時間行ったのか」をお伝えください。
2015/01/08