アトピー性皮膚炎について②
今回は前回に引き続き、アトピー性皮膚炎について、日常生活で気をつけたい事をお伝えします。
衣類
・綿の衣類のように吸湿性、通気性や肌ざわりが良いものを着ましょう。
・新しい衣類は一度洗濯してから着ると良いです。
・合成繊維の製品には刺激のあるものや、アレルギーの原因になるものがあるので気をつけてください。
・柔軟剤は刺激になるので、使う場合はすすぎをしっかり行ってください。
・ニットなど毛羽だった衣類を着るときは肌に刺激になるので、直接触れないように下着を着てください。
・花粉のアレルギーのある方は、シーズン中は洗濯物を外に干さないことで、花粉が衣類に付かないようにしましょう。
食事
・かゆみが辛いときは、かゆみを誘発するような食べ物は控えめにしましょう。
(辛い物などの刺激物、スナック菓子、アルコール等)
・食べ物によって口や口の周りがかゆくなる、のどがイガイガする時はアレルギーの血液検査で合わない食べ物を調べておくのも良いです。
住環境
・じゅうたんはダニの温床となるので、外した方が良いです。フローリングが良いとされています。
・ホコリをためないようにこまめに掃除をしましょう。
・換気をした方が良いですが、花粉の時季は窓を閉めて空気清浄機をかけると良いです。
・シーツは肌ざわりの良い、やわらかい木綿等を選んでください。
・寝具はまめに日光にあて、乾燥させてください。
・布団を掃除機がけすると、ダニやホコリが減って良いです。
2017/02/03花粉シーズン始まりました
先週末から関東では天気がよく、とても暖かかったですね。30日には東京でも花粉の飛散も確認され、花粉シーズンインとなりました。去年と比べて11日早いシーズンインで、予測では飛散量が例年の2.1倍、少なかった去年の4.4倍にもなるそうです。
花粉の時季、花粉症でお困りの方、今年は早めに病院に受診し、早めの対策をしていきましょう。
花粉症のくしゃみ、鼻水、目のかゆみ等は内服薬や、必要時は点眼薬、点鼻薬を使うことで症状を抑えることができます。
このような症状が出るけれど、花粉症かどうかわからないという方、採血の検査で調べることができます。ご相談ください。
アトピー性皮膚炎について①
アトピーは完全に治ることは難しくても、適切に治療をすれば湿疹や痒みがほとんどない状態を維持することができます。アトピーに関して正しい知識を理解して、コントロールしていきましょう。
●アトピー性皮膚炎とは
アトピー素因(アレルギーや、ドライスキン)と環境によって、湿疹を慢性的に繰り返されている状態です。
●どんな治療を行うか
①ドライスキンによる皮膚のバリア障害が起きているので保湿等のスキンケアをします。
「皮膚の乾燥について」を参照ください。
②掻くことで湿疹と痒みが繰り返されるので、痒みに対する治療をします。
・掻いて皮膚を傷つけないように、爪を短く切りましょう。
・痒みがひどい時は、痒みを抑える飲み薬を飲んで症状をコントロールすることが大切です。
・日常生活で痒みを引き起こす状況を避けましょう。(熱いお風呂を避ける、飲酒を控える、暖房を適切な温度にする等)
・夜間無意識に掻いてしまうときは、綿の手袋や靴下を使用したり、寝る前に軟膏処置をしましょう。
・冷やすことで痒みが和らぐので、濡らしたタオル等を患部にあてると良いです。
③湿疹に対して塗り薬(ステロイドや免疫調整外用薬(プロトピック))での治療をします。
メディア等の情報でステロイドは副作用が強い、使わない方が良いと報道されたことがあったため、ステロイドは使いたくないと希望される患者様、ご家族様がいらっしゃいますが、ステロイドは決して怖い薬ではありません。きちんと皮膚の部位、状態に合った強さの薬を適切に使用すれば、副作用の心配はありません。受診してご相談ください。
粉瘤について
『粉瘤(ふんりゅう)』あまり聞き慣れないと思いますが、皮膚科ではよく見られる疾患です。
本日は粉瘤について詳しくお伝えします。
〇粉瘤とはなんでしょうか
皮膚の下にできた袋状の良性のできものです。耳たぶや耳のまわり、背中、足の付け根などに出来やすいです。その中に角質や皮脂がたまるので臭いがすることがあります。炎症がない状態だと小さなしこり状ですが、炎症が起こってしまうと、腫れて痛みが出たり、破れて膿が出てくることがあります。
〇どんな治療をするのでしょうか
腫れてしまった時は化膿止めを内服します。
ひどく腫れてしまった場合は、切開して膿を出すこともあります。
腫れがおさまっても、袋状のできものは存在しているので、化膿を繰り返すことがあります。その場合、患者様のご希望があれば、手術をして粉瘤を取ってしまう方法もあります。
手術は腫れがおさまっている状態で、後日予約にて日帰り手術で行います。
粉瘤が腫れてきたら、ひどくなると高熱が出たり、歩けなくなる程痛くなる場合もあるので、ひどくなる前に皮膚科へ受診しましょう。
低温やけどについて
寒さきびしくなってきましたね。湯たんぽを使っている方も多いのではないでしょうか。そこで気を付けて頂きたいのが低温やけどです。
〇やけど、低温やけどはどう違うのでしょうか
火傷(やけど)は熱によって皮膚が傷害されることです。原因はポットの熱湯やアイロン等の過熱されたものです。
低温火傷(ていおんやけど)は、通常ではやけどを起こさないような温度でも接触時間が長くなるとやけどになってしまいます。原因は湯たんぽやホッカイロが多いです。
火傷の深さによって程度があります。
・赤い状態で、数日で自然と治ってしまうもの。
・痛みがあり、水ぶくれになって、皮膚が再生するまで数週間から数か月かかり、瘢痕になってしまうもの。
・ひどい場合、白くなってしまい、痛みも感じなく、皮膚の移植が必要なものもあります。
〇やけどしてしまったら
火傷したあとすぐに冷やすことで、火傷の程度が進行するのを防ぐことができます。水道の流水で30分以上冷やしてください。衣服と皮膚がくっついてしまうことがあるので、衣服の上から火傷した場合はシャワー等でそのまま冷やしてから脱がせてください。
早めに皮膚科を受診し処置を受けてください。早めの処置が火傷の進行を防ぐのに重要です。
〇低温やけどを防ぎましょう
低温火傷は皮膚にくっついている時間が長いため、火傷の程度が深くなることが多いです。就寝時湯たんぽを使うときは、足元から少し離して使用してください。ホッカイロも肌に直接触れたり、肌着等の薄い衣類に貼らず、服の上からにしたり、長時間同じ場所に当たらないように気を付けて、低温火傷を防ぎましょう。
2016/12/08子どもの冬のあせも
あせもといえば夏に多いと思われがちですが、これから寒くなる冬にもあせものお子さまが多くいらっしゃいます。今日は冬のあせもについて詳しくお伝えします。
〇なぜ冬なのにあせも??
あせもは汗を大量にかいたときに汗の管が閉じてしまって起こります。子供は体温が高く、新陳代謝が活発のため汗っかきです。冬、寒さ対策で部屋を暖め過ぎたり、厚着させ過ぎがあせもの原因となっています。
〇あせもを予防しましょう
部屋温度をすずしく、湿度は上がり過ぎないようにしましょう。厚着をし過ぎないようにして、吸湿性の高い衣類にしましょう。また、皮膚は清潔にして、汗をかいたらこまめに乾いたタオルで拭いたり、シャワーを浴びるとよいです。
〇あせもができてしまったら
上記の予防法を行って悪化しないようにしてください。
皮膚科を受診して、必要時塗り薬や、かゆみ止めの飲み薬で対処して早めに治しましょう。
2016/12/06じんましん
忘年会の季節ですね。不規則な生活になったり、疲れがたまりやすいこの時期、痒くてつらいじんましんにお困りではありませんか?
〇蕁麻疹(じんましん)とはどんな病気でしょうか
一時的に体が赤くミミズ腫れの様な症状が出たり、痒みが出たりします。夕方から夜にかけて出ることが多いですが、一日中続くこともあります。
原因は、食物、薬剤、寒冷刺激、ウイルス感染等の場合もありますが、ほとんどの場合は原因不明です。
〇どんな治療をするのでしょうか
明らかな原因が判明している場合は原因を避けます。
症状を抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します。(血管反応による痒みなので、塗り薬は効かないことが多いです。)
内服をして、症状が出ていない状態を継続されることでじんましんを治していくので勝手に内服を中断せず、決められたとおりに内服治療を続けることが大切です。
〇日常生活での注意点は何でしょうか
汗をかくような運動や熱いお風呂に入ると症状が悪化するので控えましょう。
疲労、ストレスによりじんましんが誘発されるので、疲労、ストレスをためない様に十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけましょう。
脂漏性皮膚炎
頭皮や顔のTゾーンが痒かったり、フケのように皮がむけて困っていませんか?
それは脂漏性皮膚炎かもしれません。
〇脂漏性皮膚炎とはどんな病気でしょうか
頭皮や顔の額~鼻・小鼻にかけてのTゾーン、胸や腋の下など皮脂の分泌が多い場所にできます。赤にや痒み、フケの様にカサカサとむけることもあります。
原因は皮脂と皮膚の常在菌である癜風菌(誰にでも存在しています)が関わり合い、皮膚炎を起こします。
〇どんな治療をするのでしょうか
皮膚の炎症を抑えるためにステロイドの塗り薬を使用したり、癜風菌を抑えるために抗菌薬の塗り薬を使用します。
頭皮には軟膏やクリーム状の塗り薬だとべたついたリ塗りにくいので、ローションタイプの塗り薬を使用します。
〇日常でのケアはどうすればよいのでしょう
皮脂が多すぎる場合は洗髪、洗顔をしっかり行いましょう。洗いすぎは余計に皮脂分泌を増やしてしまうので洗髪は1日1回、洗顔は1日2回で十分です。
疲れがたまっていませんか?ストレスや生活サイクルの乱れで悪化してしまいます。ストレスを避け、十分に睡眠をとり、規則正しい生活をしましょう。また、バランスのよい食事を心がけましょう。
2016/12/01サンソリットスキンピールバー石鹸のご紹介
当院では保険診療の他に、自費で購入していただけるスキンケア用品を多数取り揃えておりますが、今回はその中でも人気のサンソリットスキンピールバー石鹸についてご紹介させていただきます。
スキンピールバー石鹸とは
サンソリットと皮膚科の専門家との共同開発によって誕生したピーリング石鹸です。サンソリットは、1955年の学会にてドクターによる日本初のケミカルピーリングの発表に協力し、医師だけが使用できる「メディカルスキンケアアイテム」を全国の医療機関へ広めている会社です。また、ピーリングとは肌表面の古い角質を刺激の少ない酸(グリコール酸=AHA)等で無理なく離し、しっかりと洗浄することによってくすみや汚れを取り去り、”肌本来のキレイになろうとする力”をサポートして、様々なトラブルからお肌を守る美容法のことをいいます。毎日の洗浄&ボディソープとして、全身つるつるでくすみのない肌へと導きます。
・肌質やお悩みに合わせて4種類にタイプと2種類の大きさからお選びただだけます
敏感肌~乾燥肌
角質ケア成分AHA0.6%配合。乾燥肌、敏感肌の方に配慮したマイルドタイプです。
大:2160円(税込)、小:250円(税込)
不通肌~脂性肌
角質ケア成分AHA1.0%配合。不通肌、脂性肌の方におすすめです。
大:2160円(税込)、小:250円(税込)
脂性肌~ニキビ肌
角質ケア成分AHA2.0%、整肌成分ティートゥリーオイルとビタミンA誘導体配合。ニキビ肌に悩まれている方におすすめです。
大:2700円(税込)、 小:300円(税込)
くすみ肌
角質ケア成分AHAの他に抗酸化作用のあるハイドロキノン配合。透明感のあるみずみずしい素肌へと導きます。くすみが気になる方におすすめです。
大:5400円(税込)、 小:600円(税込)
滑らかな泡立ちで洗い心地が良く、使用後もお肌がスッキリするので当院のスタッフにもとても好評な石鹸です。どのタイプを使ったら良いか迷われたり、何かご不明な点がございましたらお気軽にスタッフまでお申し付けください。
皮膚の乾燥について
これからの季節、空気の乾燥や、暖房による湿度低下によって、皮膚も乾燥しやすくなってきます。
皮膚が乾燥すると、皮膚がかさかさになったり、痒みに敏感になり、掻いてしまい湿疹になったりすることがあります。
また、アトピー性皮膚炎の患者様はもともと乾燥しがちなのがさらに皮膚内の炎症や掻くことで皮膚炎が悪化したり、治りにくくなります。
日々の水仕事、洗剤による食器洗いで手指の角層バリアがこわされて起こります。乾燥し、ひび割れたり、痒みがでたりして手湿疹が起こります。
乾燥肌は放っておくと湿疹になるので早めに適切なケアを始めるとよいです。
乾燥肌のスキンケア
日常で間違ったスキンケアをしていませんか。スキンケアだけでも皮膚の乾燥を改善できます。
○入浴、洗浄
熱いお湯につかっていませんか。皮脂等が流れ出て皮膚の水分が減ってしまいます。乾燥が気になるときはぬるめのお湯にしてください。
入浴時に洗浄剤を直接肌につけたり、ナイロンタオル等で強くこすって洗っていませんか。角質がはがれすぎ、肌の表面の脂質も奪われてしまいます。石鹸をよく泡立ててやさしく手で洗ってください。
手湿疹の対策は、お湯を使いすぎると手の保湿成分が逃げやすくなります。水仕事はゴム手袋を使用しましょう。頻繁に手を石鹸で洗う習慣があれば控えめにしましょう。石鹸のすすぎ残しで湿疹になることもあります。しっかりと洗い流しましょう。
○保湿剤
1日2回、朝と夜入浴後に保湿剤を塗ると良いです。
塗り方は擦りこまずに、点々と皮膚の上においてからなじませるようにやさしく広げていきます。
保湿剤の種類はつけ心地で選ぶとよいです。夏はローションや乳液タイプ、冬はクリームや油脂性のものをお勧めします。
乾燥が悪化して湿疹になってしまった時はステロイドの塗り薬を塗って悪化を防ぐ必要があります。
湿疹になってしまったら、早めに受診して薬を処方してもらいましょう。保湿剤もご相談ください。