脂漏性皮膚炎について①
頭の生え際や鼻の周囲、眉毛のあたりの赤みや皮剥け、頭の乾燥やフケが出るなどの症状はありませんか?
これらの症状は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。
脂漏性皮膚炎とは、頭部や眉毛部、鼻周囲、耳周囲などにみられる皮膚の炎症のことです。
脂漏性皮膚炎は主に皮脂の分泌が活発な部分や、脇の下や胸部など擦れる部分にみられます。また、頭部に発症した場合はフケや強いかゆみを伴うことがあります。
原因としては皮脂分泌の亢進と皮膚の常在菌のマラセチア菌の関与によるものであるといわれています。
そのほか、精神的なストレスやビタミン不足、皮膚の乾燥なども関与していると考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
治療については、マラセチア菌を抑える塗り薬(抗真菌薬)を使用したり、炎症や痒みの強い場合はステロイド剤を使用したりします。
脂漏性皮膚炎には、新生児期・乳児期に発症する乳児型と、思春期以降に発症する成人型があります。成人型では、ホルモンの関係で男性に多く発症すると言われています。
乳児型の場合は、生後2~8週頃に頭部や眉毛部、おでこに黄色のかさぶたのようなものがくっついたり、かさかさした赤みができたりします。正しいスキンケアを行うことで生後8~12週頃に自然に治癒します。
成人型の場合は再発を繰り返すことが多いため、根気よく治療を続ける必要があります。
次回は脂漏性皮膚炎のスキンケアについてお話します。
2021/11/15