頭ジラミってどんな症状??
頭がかゆい、しっかりシャンプーをして乾かしているのに痒みが治まらない、といった症状はもしかしたら頭ジラミの可能性もあります。6~7月にむけては頭ジラミが増える季節でもあるので、保育園等で「頭ジラミかもしれません」と言われても焦らず、まずは皮膚科を受診し、正しい治療を行っていきましょう。
頭ジラミとは
人の頭髪部に寄生して皮膚から吸血をするシラミのことを頭ジラミといい、大きさは約2~4mmで色は赤に近い茶色をしています。卵を髪に固着するように産んで幼虫、成虫と成長します。幼虫、成虫ともに頭皮から吸血をしますが、その際に激しい痒みを発症する事が多く、頭皮をかきすぎてそこから二次感染を起こしてしまうこともあるため早めの発見と治療開始が大切です。
他人に感染はするの?
虫そのものには羽が付いてないので飛んでうつることはありませんが、頭ジラミに感染している人と同じバスタオルやシャンプー、寝具、帽子等身の回りのものを共有することによって他の人に感染することもあり、特に家族や体を触れ合って遊ぶことの多い保育園・幼稚園の中で集団発生することが多いです。
見つけ方と主な治療方法
幼虫や成虫は髪の毛を動き回るので比較的見つけやすいですが、白い卵は古い皮脂や整髪料の洗い残し等と間違えることいが多いです。それらは指でつまんで取り除くことが出来ますが、髪の固着している卵はなかなか取り除くことができません。また、当院では顕微鏡による検査で頭ジラミを発見する場合もあります。主な治療方法としては、頭ジラミ駆除専用のクシを使う場合もありますが当院では主にスミスリンシャンプー(頭ジラミ駆除剤)を患者さんに自宅で使っていただき、徐々に頭ジラミを退治していく治療方法を行っております。完治までの期間は個人差もありますが、約10日前後で全てのシラミを駆除できる場合が多いです。
主な対策
幼虫や成虫は洗髪や洗濯で洗い流すことが出来るため毎日しっかりシャンプーをし、タオル、クシ、帽子等直接頭皮が触れ合う身の回り品の共有は出来るだけ避け、タオルや衣類はなるべく毎日洗濯をして取り換えるようにしましょう。頭ジラミは不潔にしていたからといって発生するものではないので、頭ジラミにかかっても慌てず落ち着いて治療と対策をすることが大切です。
早めの紫外線対策を
●油断できない4月の紫外線
4月に入り、すっかり春のぽかぽか陽気になってまいりました。そろそろゴールデンウィークの予定を計画している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなこれからの季節のお出かけで気になってくるのが、紫外線です。紫外線というと、7~8月の夏場をイメージしがちですが、実は4月の紫外線は8月とほぼ同じくらい強く、紫外線量は7月よりも多いのです。更に肌が黒くなる日焼けのもととなるUV-Aは5月、肌が赤くなる日焼けのもととなるUV-Bは8月にピークを迎えます。日差しの強い夏場は紫外線に対する意識も高まりますが、今の時季からしっかりと対策することが肝心です。
●体の内側から予防を
紫外線対策として、日焼け止めや帽子、日傘での対策の他に以下のような食品をとることも効果的です。
・シミやそばかすを予防する働きのあるビタミンC(みかんやいちご等)
・肌の老化や肌荒れを防ぐB-カロテンやビタミンE(かぼちゃやほうれん草等の緑黄色野菜)
・肌の新陳代謝を活発にするビタミンB2(卵や牛乳)、亜鉛(魚介類や肉類)
体の外側からだけでなく、内側からも紫外線対策をし、夏の日焼けに負けない肌を目指しましょう。
また、当院では全身にお使いいただける日焼け止め、グラファ サンプロテクトUV(SPF40 PA+++)をおひとつ1,950円(税込)でお取り扱いしております。無香料、無着色でのびがよく、ベタつきやつっぱり感がないため小さなお子様にもお使いいただける他、化粧下地としてもご使用いただけます。気になる方は受付スタッフまでお声掛け下さい♪
花粉症の人は食物アレルギーも起こしやすい?!
シラカンバ、ハンノキなどカバノキ科の植物に対する花粉症をお持ちの方は、さくらんぼや桃・リンゴ・柿・キウイなどの果物を生の状態で食べた時や、豆乳を飲んだ時に口腔内が痒くなったり腫れたりするアレルギーを起こす可能性があることをご存知でしょうか。これは、果物や大豆に含まれるアレルゲンタンパクがカバノキ科の花粉のタンパク質と似ている為です。ジュースや調理した状態の果物、納豆など加工度が高い状態の大豆では症状が出にくいと言われていますが、その時々の体調や個人差もあり油断は禁物です。カバノキの花粉飛散はスギと同時期の為、どちらの花粉症かわからない方や上記の症状にお心当たりのある方には原因を特定する為の採血によるアレルギー検査をお勧めしています。口腔内の粘膜が腫れると最悪の場合呼吸困難に陥ってしまうこともありますので、症状が出てしまった時は早めに医療機関へご相談ください。
2017/03/31
ニキビの治療と予防について
繰り返すニキビにお困りではありませんか。悪化したり、ニキビあとにならずに治すためには、早めの治療が大切です。また、日常生活で気が付かずにニキビに良くない行動をとっているかもしれません。
ニキビができてしまったら、皮膚科に受診して、適切な塗り薬や、必要時は飲み薬で治療しましょう。
日常生活で気をつけた方が良いこと
〇洗顔について
皮脂を落とそうとして1日に何回も洗顔したり、長時間洗顔料等でこすってはいけません。洗いすぎは皮脂の分泌を増加させ、ニキビの悪化の原因となります。洗顔は1日2回が基本です。ごしごし洗うのではなく、石鹸や洗顔フォームをしっかり泡立てて、優しく洗ってください。
泡のすすぎ残しはニキビの原因となります。ぬるま湯でしっかりすすいでください。
あぶら性の方は脂性肌用の石鹸を使用すると、過剰な皮脂が取れて良いです。
〇化粧について
油性成分の多い化粧品は避けてください。ノンコメドジェニックと記載された化粧品はニキビができにくいので、そういった商品を選ぶのも良いでしょう。
化粧に使用するスポンジ等は、こまめに洗って清潔にしてください。
ニキビがひどい時は、化粧しないのが望ましいですが、必要な場合は、補色を使って目立たなくしたり、ポイントメイクにする等、最低限にできるよう工夫してください。
〇髪型について
ニキビを隠すような髪型は、毛先が触れることで刺激になり、ニキビが悪化するので自宅にいるときは髪をまとめたり、前髪を上げておきましょう。
〇触り癖、潰さないように
指や爪には多くの細菌がいるので、指でニキビを触ったり、爪で潰すことは、ニキビの炎症を悪化させる要因となります。
〇食事について
チョコレートやナッツ類、揚げ物等、高カロリー脂肪食は控えめにしましょう。
これまでの経験で、ニキビが悪化したことがある食べ物を控えましょう。
2017/02/19アトピー性皮膚炎について②
今回は前回に引き続き、アトピー性皮膚炎について、日常生活で気をつけたい事をお伝えします。
衣類
・綿の衣類のように吸湿性、通気性や肌ざわりが良いものを着ましょう。
・新しい衣類は一度洗濯してから着ると良いです。
・合成繊維の製品には刺激のあるものや、アレルギーの原因になるものがあるので気をつけてください。
・柔軟剤は刺激になるので、使う場合はすすぎをしっかり行ってください。
・ニットなど毛羽だった衣類を着るときは肌に刺激になるので、直接触れないように下着を着てください。
・花粉のアレルギーのある方は、シーズン中は洗濯物を外に干さないことで、花粉が衣類に付かないようにしましょう。
食事
・かゆみが辛いときは、かゆみを誘発するような食べ物は控えめにしましょう。
(辛い物などの刺激物、スナック菓子、アルコール等)
・食べ物によって口や口の周りがかゆくなる、のどがイガイガする時はアレルギーの血液検査で合わない食べ物を調べておくのも良いです。
住環境
・じゅうたんはダニの温床となるので、外した方が良いです。フローリングが良いとされています。
・ホコリをためないようにこまめに掃除をしましょう。
・換気をした方が良いですが、花粉の時季は窓を閉めて空気清浄機をかけると良いです。
・シーツは肌ざわりの良い、やわらかい木綿等を選んでください。
・寝具はまめに日光にあて、乾燥させてください。
・布団を掃除機がけすると、ダニやホコリが減って良いです。
2017/02/03アトピー性皮膚炎について①
アトピーは完全に治ることは難しくても、適切に治療をすれば湿疹や痒みがほとんどない状態を維持することができます。アトピーに関して正しい知識を理解して、コントロールしていきましょう。
●アトピー性皮膚炎とは
アトピー素因(アレルギーや、ドライスキン)と環境によって、湿疹を慢性的に繰り返されている状態です。
●どんな治療を行うか
①ドライスキンによる皮膚のバリア障害が起きているので保湿等のスキンケアをします。
「皮膚の乾燥について」を参照ください。
②掻くことで湿疹と痒みが繰り返されるので、痒みに対する治療をします。
・掻いて皮膚を傷つけないように、爪を短く切りましょう。
・痒みがひどい時は、痒みを抑える飲み薬を飲んで症状をコントロールすることが大切です。
・日常生活で痒みを引き起こす状況を避けましょう。(熱いお風呂を避ける、飲酒を控える、暖房を適切な温度にする等)
・夜間無意識に掻いてしまうときは、綿の手袋や靴下を使用したり、寝る前に軟膏処置をしましょう。
・冷やすことで痒みが和らぐので、濡らしたタオル等を患部にあてると良いです。
③湿疹に対して塗り薬(ステロイドや免疫調整外用薬(プロトピック))での治療をします。
メディア等の情報でステロイドは副作用が強い、使わない方が良いと報道されたことがあったため、ステロイドは使いたくないと希望される患者様、ご家族様がいらっしゃいますが、ステロイドは決して怖い薬ではありません。きちんと皮膚の部位、状態に合った強さの薬を適切に使用すれば、副作用の心配はありません。受診してご相談ください。
粉瘤について
『粉瘤(ふんりゅう)』あまり聞き慣れないと思いますが、皮膚科ではよく見られる疾患です。
本日は粉瘤について詳しくお伝えします。
〇粉瘤とはなんでしょうか
皮膚の下にできた袋状の良性のできものです。耳たぶや耳のまわり、背中、足の付け根などに出来やすいです。その中に角質や皮脂がたまるので臭いがすることがあります。炎症がない状態だと小さなしこり状ですが、炎症が起こってしまうと、腫れて痛みが出たり、破れて膿が出てくることがあります。
〇どんな治療をするのでしょうか
腫れてしまった時は化膿止めを内服します。
ひどく腫れてしまった場合は、切開して膿を出すこともあります。
腫れがおさまっても、袋状のできものは存在しているので、化膿を繰り返すことがあります。その場合、患者様のご希望があれば、手術をして粉瘤を取ってしまう方法もあります。
手術は腫れがおさまっている状態で、後日予約にて日帰り手術で行います。
粉瘤が腫れてきたら、ひどくなると高熱が出たり、歩けなくなる程痛くなる場合もあるので、ひどくなる前に皮膚科へ受診しましょう。
低温やけどについて
寒さきびしくなってきましたね。湯たんぽを使っている方も多いのではないでしょうか。そこで気を付けて頂きたいのが低温やけどです。
〇やけど、低温やけどはどう違うのでしょうか
火傷(やけど)は熱によって皮膚が傷害されることです。原因はポットの熱湯やアイロン等の過熱されたものです。
低温火傷(ていおんやけど)は、通常ではやけどを起こさないような温度でも接触時間が長くなるとやけどになってしまいます。原因は湯たんぽやホッカイロが多いです。
火傷の深さによって程度があります。
・赤い状態で、数日で自然と治ってしまうもの。
・痛みがあり、水ぶくれになって、皮膚が再生するまで数週間から数か月かかり、瘢痕になってしまうもの。
・ひどい場合、白くなってしまい、痛みも感じなく、皮膚の移植が必要なものもあります。
〇やけどしてしまったら
火傷したあとすぐに冷やすことで、火傷の程度が進行するのを防ぐことができます。水道の流水で30分以上冷やしてください。衣服と皮膚がくっついてしまうことがあるので、衣服の上から火傷した場合はシャワー等でそのまま冷やしてから脱がせてください。
早めに皮膚科を受診し処置を受けてください。早めの処置が火傷の進行を防ぐのに重要です。
〇低温やけどを防ぎましょう
低温火傷は皮膚にくっついている時間が長いため、火傷の程度が深くなることが多いです。就寝時湯たんぽを使うときは、足元から少し離して使用してください。ホッカイロも肌に直接触れたり、肌着等の薄い衣類に貼らず、服の上からにしたり、長時間同じ場所に当たらないように気を付けて、低温火傷を防ぎましょう。
2016/12/08子どもの冬のあせも
あせもといえば夏に多いと思われがちですが、これから寒くなる冬にもあせものお子さまが多くいらっしゃいます。今日は冬のあせもについて詳しくお伝えします。
〇なぜ冬なのにあせも??
あせもは汗を大量にかいたときに汗の管が閉じてしまって起こります。子供は体温が高く、新陳代謝が活発のため汗っかきです。冬、寒さ対策で部屋を暖め過ぎたり、厚着させ過ぎがあせもの原因となっています。
〇あせもを予防しましょう
部屋温度をすずしく、湿度は上がり過ぎないようにしましょう。厚着をし過ぎないようにして、吸湿性の高い衣類にしましょう。また、皮膚は清潔にして、汗をかいたらこまめに乾いたタオルで拭いたり、シャワーを浴びるとよいです。
〇あせもができてしまったら
上記の予防法を行って悪化しないようにしてください。
皮膚科を受診して、必要時塗り薬や、かゆみ止めの飲み薬で対処して早めに治しましょう。
2016/12/06じんましん
忘年会の季節ですね。不規則な生活になったり、疲れがたまりやすいこの時期、痒くてつらいじんましんにお困りではありませんか?
〇蕁麻疹(じんましん)とはどんな病気でしょうか
一時的に体が赤くミミズ腫れの様な症状が出たり、痒みが出たりします。夕方から夜にかけて出ることが多いですが、一日中続くこともあります。
原因は、食物、薬剤、寒冷刺激、ウイルス感染等の場合もありますが、ほとんどの場合は原因不明です。
〇どんな治療をするのでしょうか
明らかな原因が判明している場合は原因を避けます。
症状を抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します。(血管反応による痒みなので、塗り薬は効かないことが多いです。)
内服をして、症状が出ていない状態を継続されることでじんましんを治していくので勝手に内服を中断せず、決められたとおりに内服治療を続けることが大切です。
〇日常生活での注意点は何でしょうか
汗をかくような運動や熱いお風呂に入ると症状が悪化するので控えましょう。
疲労、ストレスによりじんましんが誘発されるので、疲労、ストレスをためない様に十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけましょう。